No.16(キリスト教社会)  : 

「誰が殺したイエス=キリスト?」

ユダヤ人として生まれたイエスは、その信教であるユダヤ教の選民思想や形式的
な律法主義を否定し、神の愛の平等を説いた。しかし民衆からは直接の救いをもた
らす者ではないとして支持されず、異端者であるとパリサイ人に迫害され、反逆の
罪を着せられたローマ人に十字架刑に処せられた。その後、彼の復活の奇跡を信
じた人々がキリスト教団を形成していった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
英米で広く親しまれる「マザー・グース」の有名なフレーズ「誰が殺したクックロビン
(駒鳥)?」をもじった問いかけに刺激を受けて、イエスやキリスト教の学習に対する
意欲を高めている。またキリスト教に関する基本的な知識は、欧米社会を理解する
上で必要欠くべからざるものであるという見地から、大きな関心を持って学習に取り
組もうとしている。

思考・判断:

世界宗教としてのキリスト教の内容や成立事情について、イエスの生と死(と復活の
奇跡が信じられたこと)の事実、さらにはその後の使徒たちの活動などから考察して
いる。

資料活用の技能・表現:

『新約聖書』(現代語訳のもの)の抜粋を資料とし、律法主義や選民思想を否定され
たパリサイ人や秩序破壊を恐れるローマの役人、そして現世利益を期待した民衆の
イエスに対する憎悪を読み取っている。

知識・理解:

今日においても、宗教間の不寛容が、民族紛争や戦争に色濃く現れていることに思
いを馳せつつ、キリスト教についての基本的な知識を身につけている。